こんにちは!北海道エコ・動物自然専門学校です!
動物と触れ合うことが好きな方であれば、一度は動物園で働く「動物飼育員」になりたいと考えたこともあるのではないでしょうか。
「動物飼育員という資格があるの?」
「どのような知識が必要なの?」
動物飼育員を見たことはあっても、どうやってなるのかはあまり知られていないですよね。
夢を叶えるためには今から何ができるのか、かつて札幌の動物園に勤務した元・飼育員さんなどたくさんのプロがいる北海道エコがお教えします!

目次
飼育員とは?どんな仕事をしているの?
そもそも動物園・水族館の役割とは?
あまり知られていませんが、「種の保存」、「教育・環境教育」、「調査・研究」、「レクリエーション」という4つの役割があります。そのため、動物園で働く飼育員も、その役割を担うことになります。
そのため、日常の飼育作業や健康管理はもちろんのこと、それぞれの動物の研究をしたり、希少動物の繁殖に取り組むこともあります。
また、教育やレクリエーションという観点で、ユニークな展示を考えるなど、動物の生態や魅力を伝えることも、大切な仕事の1つです。
動物園や水族館など、各施設で仕事の違いはある?
動物園でも水族館でも、仕事内容に大きな違いはありません。ただ、もちろん扱う動物が違ってくるので、身につけるべき知識にも違いは出てきます。
また、各園によって、考え方が少し違うので、それによって仕事の差は生まれます。例えば、民間の動物園はレクリエーションの要素が強い所が多いので、デモンストレーションなどの仕事が多くなる傾向があります。それ以外にも、繁殖に力を入れている園など、各園の考え方の違いにより、そこで働く飼育員の仕事内容にも違いは出てきます。
飼育員の1日ってどんな流れ?
飼育員の一般的な1日の仕事の流れの見てみましょう!
7:30 出勤・朝の準備
制服に着替え、動物たちの体調を確認するために記録表をチェックします。前日の引き継ぎ内容や特記事項があれば、ここでしっかり把握しておきます。
8:00 エサの準備・掃除
各動物ごとに決まったメニューがあるので、それぞれの食事を手早く準備。並行して、動物舎の清掃も行います。汚れや異常がないか、細かくチェックしながら進めていきます。
9:00 給餌・健康チェック
準備したエサを動物たちに与えながら、動物たちを観察。ちょっとした変化を見逃さないことが大切です。
11:00 展示スペースのメンテナンス・開園準備
来園者に気持ちよく見てもらえるように、展示エリアの掃除やレイアウトの微調整も行います。開園直後は、お客様からの質問対応も始まります。
12:00 昼休憩
交代で昼食をとりますが、動物たちの体調に変化があれば対応すが必要になるので、昼時も完全オフとはいかないこともあります。
13:00 イベント対応・バックヤード作業
ふれあいタイムやガイドツアーなどがある場合は、その準備や実施を担当します。合間には、繁殖管理や飼育記録の入力作業、備品の整理などを行います。
15:30 午後の給餌・清掃
夕方にもう一度、エサやりと清掃作業を行います。動物たちが安心して夜を迎えられるよう、しっかりケアします。
17:00 最終確認・退勤
動物たちの様子を確認し、戸締まりや安全チェックを行ったら、業務終了。翌日に備えて、引き継ぎ内容をしっかりまとめます。早番遅番がある場合にはこのタイミングで引き継ぎがあることもあります。

動物飼育員になるために必要な資格や採用試験とは
動物飼育員になるためには資格が必要なのか、どのような採用試験を経て動物飼育員になるのか、1つずつ解説していきます!
資格は不要?必須でなくても「あった方がいい資格」とは?
「動物飼育員になるには資格がいるのか?」と疑問に思う人も多いかもしれませんが、必須の資格は特にありません。
ただ、就職後に便利になってくる資格という意味では、普通自動車の運転免許が必要とされる所は多いです。
それもAT限定ではなく、マニュアル車にも対応できる方がいいでしょう。
また、水族館の場合は潜水士の資格を求められることがけっこう多いです。
採用試験はどのように行われる?
実際に飼育員の仕事に就くためには、高校や大学、専門学校を卒業後、それぞれの動物園や水族館の採用試験を受けて合格することが必要です。
試験は各施設独自の内容である場合が多く、筆記試験だと教養試験と専門試験、そして面接。
施設によっては、最初に履歴書や小論文で書類審査を行います。
少なくとも2次試験まで実施され、倍率の高い施設では4次試験や5次試験まで設定されている所もあります。
例えば、東京都では東京動物園協会という団体が恩賜上野動物園、多摩動物公園、葛西臨海水族園、井の頭自然文化園という4つの施設の採用試験を実施しています。
ここでは最初に書類選考があり、その後に課題の小論文と履歴書を提出。
以上の審査に通ってから、筆記試験を経て数回の面接を受けるという流れです。
また、最近ではグループディスカッションを取り入れる所も増えてきました。 ある年の札幌市円山動物園の場合は、筆記、グループディスカッション、面接という内容の試験で選考していました。

試験の内容と対策は?
筆記試験のうち、専門試験は生物学や生態学などが主な内容です。
一方の教養試験はかなり幅広い科目から出題されます。
それぞれの動物園や水族館によって異なりますが、地学や公民、時事問題や英語、数学など広範囲にわたる知識を身につけておく必要があります。
中学や高校で教わっている内容がとても大切になるので、すべての教科をきちんと学んでおいて無駄になることはありません。
面接試験は一般企業とほぼ同様です。
「なぜその動物園で働きたいのか?」「自分はその動物園にどう貢献できるのか」といったことをしっかりと考えて臨んでください。
自分の考えを自分の言葉で話すのは、なかなか難しいことです。
普段から「自分はこう思う」ということをうまく人に伝えるためのトレーニングも意識して行うといいでしょう。

将来性やキャリアパスについて知っておこう
給料の目安は?
動物飼育員の平均年収は、350万円程と言われています。ただし、大都市圏など大きな動物園では給与が高めになるなど、地域や園によって差もあるようです。また、チームリーダーなどの役職に就いたり、トレーニングなどの専門技能を取得することで、給与が上がることもあります。
公立動物園(公務員)と民間動物園の違い
公立の動物園の場合は公務員として採用されるので、給与は自治体の公務員の給与体型に準じます。そのため、安定して定期的な昇給が見込めます。ただし、動物園以外の部署への異動の可能性もあるので、そこはおさえておくことが必要です。
一方で民間動物園は、給与は公立よりも幅広い傾向にあります。スキルや役職、キャリア次第では大きく伸びることもあります。民間の場合は、異動といっても施設内での異動がほとんどなので、全く違う部署への異動ということはあまりありません。
キャリアの幅
飼育員のキャリアの幅としては、以下のようなケースが考えられます。
- 飼育の専門家
- 教育・広報分野
- 組織内でのマネジメント
- 研究・学術分野
- 海外・国際系
- 動物関連ビジネス
「飼育員」というと、動物のお世話をするというイメージが強いと思います。もちろん、そのキャリアを積んでいくこともできますが、その専門性を活かして上記のような幅広いキャリアを選択していくことも可能です。

飼育員に向いている人とは?
動物飼育員を目指す人に考えてほしいこと
動物飼育員を目指す理由の一つとして「動物がかわいいから」と言う人もいるでしょう。
飼育員という職業の向き不向きについて言うなら、単純に動物好きかどうかというところは大事。でもそれはすごく難しくて「動物(園へ行って見るのが)好き」なだけかもしれません。
犬を飼うのもそうですが、飼育員として働く上では、自分の時間を奪われることを理解して動物と付き合うことが重要です。
さらに、動物の行動にどういう意味があるのか、情緒的にではなく、生物学と結びつけて考える科学的視点が重要です。
動物飼育員という立場から考えれば、動物の名前をたくさん知っている、いろいろな種類の動物を飼ったことがあるといったことは実はあまり意味がないのです。
どうして動物飼育員になりたいか、どんな動物飼育員になりたいか、動物とどのように付き合っていくか。
そういったことをじっくり考えながら、勉強を進めていってください。
基礎をしっかり固め、動物の行動を科学的に捉える視点を持とう
近年、動物飼育員はさらに専門性が求められる傾向にあります。例えば、札幌市円山動物園では、2017年から「動物専門員」の職を設け、より高度化する動物園業務に対応する体制を整えています。飼育員を目指す人も増えていくかもしれません。
そのような状況を踏まえて、自分は、どういう風に「動物が好き」なのか、そのことを改めて考えることで、志望動機がより明確になると思います。
未来のスペシャリストになるには、まず基礎が大切。
今から出来ることとして、生物学、生態学についても理解を深めておくとよいでしょう。

動物飼育員になるためには学校の勉強も大切!
「将来は動物飼育員になろう!」と考えている人がすぐにできることはただ一つ。
小・中学生、高校生の場合、目の前の勉強をひたすらやることしかありません。
「数学の勉強なんて関係あるの?」と思うかもしれませんが、例えばトラの行動を分析するとき、どういうパターンがあって、それがトラという生き物の標準から見てどうか、生まれた地域、年齢、性別などの項目別にも統計学的に見なければいけません。
そうして得たデータは、飼育環境の設計にもつながっていきます。
メディアで飼育員の仕事を取り上げるとき、特定の1頭を紹介して「この子はこうだから」といきなり個体差から入ることが多いですよね。
最終的にはそこも考慮しなければならないけれど、トラならトラという動物をマクロな視点から考えていくことは重要です。

よくある質問(FAQ)
飼育員になるにはどんな学校に行けばいいの?
動物系の専門学校や、大学の生物系学科で専門知識を学ぶのがオススメです。公立の動物園水族館の就職を目指す場合は、一般教養など試験対策の科目が学べる学校を選ぼう!
飼育員の年収はどのくらい?
平均的には350万円程と言われています。ただし、大都市圏など大きな動物園では給与が高めになるなど、地域や園によって差もあるようです。
飼育員に向いている人はどんな人?
動物が好きなことはもちろんですが、ただ単に動物を見て癒されるのが好きということではなく、動物の生態を面白いと思い、科学的に考えられる人が向いていると思います。
資格がないと飼育員になれない?
医師や弁護士のように、資格が無いと仕事に就けないということはありません。ただ、公立の動物園で働くには、公務員の試験に受かる必要があるので、それなりの勉強は必要になります。
採用試験の倍率はどのくらい?
倍率は園によって様々です。低い所でも2倍〜3倍、大都市圏の公立園だと10倍を超えることもあります。しっかりと対策をして試験に臨むことが必要です。
飼育員の仕事を体験してみませんか?
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北海道エコで飼育員を目指せるのは、動物飼育学科
