本校学生が札幌市円山動物園で研究講演を実施

2月28日(土)、動物医療飼育学科 希少生物保全コース4年の葛西さんが、札幌市円山動物園から依頼を受け、同園にて講演を実施しました。
専門学校生が公立動物園に招かれ、自身の研究成果について講演を行うことは非常に珍しく、本校の教育・研究活動の成果が社会から高く評価された貴重な機会となりました。

葛西さんは、本校の希少生物保全コースにおいて、一般社団法人 野生生物生息域外保全センターの学生研究員として活動しています。
同センターは、野生動物の個体数減少や生息環境の変化による絶滅リスクの高まりを背景に、国・自治体・動物園・大学・研究機関などと連携しながら、希少野生動物の飼育下での繁殖・研究を通して保全に貢献することを目的として設立された団体です。
葛西さんは学生研究員として、北海道大学および東海大学、札幌市円山動物園と連携し、小型哺乳類であるトガリネズミ類を対象とした共同研究を進めています。

トガリネズミは日本の森林や草地など身近な環境に生息する哺乳類ですが、体長が非常に小さく代謝が高いことから活動時間が短く、野外での長期観察が非常に難しい生き物です。
そのため、哺乳類でありながら生態の多くが未解明であり、基礎的な研究データも十分とはいえない状況にあります。
こうした背景から、本研究では飼育下での基礎研究を通じて生態を明らかにするとともに、安定した飼育・繁殖技術の確立を目指す取り組みが行われています。
特にトガリネズミは飼育自体が難しいことで知られており、安定した繁殖に成功した例は多くありません。

葛西さんは学生研究員として飼育管理や観察、データ収集に日々取り組み、飼育環境の工夫や繁殖行動の記録など、研究において重要な役割を担っています。
今回の講演では、これまでの研究成果としてトガリネズミの飼育下繁殖の成功事例について紹介が行われました。
繁殖に至るまでの飼育環境の工夫や行動観察のポイント、飼育下で明らかになってきた生態の特徴など、研究の過程と成果が分かりやすく解説されました。
また、トガリネズミなどで確認されているデーネル現象(体のサイズが季節によって変化する現象)についての知見や、飼育個体ではその変化がとても小さいことが紹介され、来園者や関係者にとって非常に興味深い内容となりました。

講演には動物園の来園者や関係者が参加し、普段なかなか知ることのできない小型哺乳類の研究や保全の取り組みに多くの関心が寄せられました。
特に、身近な自然の中に生息しているトガリネズミが、実はまだ多くの謎に包まれている動物であることに驚きの声が上がるなど、野生生物研究の奥深さを伝える貴重な機会となりました。
専門学校の学生が公立動物園という公共の場で研究講演を行うことは大変珍しく、今回の講演は、学生の研究活動が学外からも高く評価されていることを示す象徴的な出来事となりました。
また、本校の教育の特徴である大学や研究機関と連携した実践的な研究教育の成果を社会に発信する機会にもなりました。
本校では、動物医療や飼育管理の技術だけでなく、野生生物の保全や研究に携わることができる人材の育成にも力を入れています。
希少生物保全コースでは、実際の研究プロジェクトに学生が参画することで、現場で求められる知識や技術、そして科学的な視点を身につける教育を行っています。
今後も本校は、大学・研究機関・動物園との連携を通じて、野生生物保全や動物福祉の発展に貢献できる人材の育成を目指し、教育・研究活動を推進してまいります。










